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米テスラ、「自動運転モード」作動中に初の死亡事故

2016.07.04[OFFICE21より]

米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズに再びスポットライトが当たった。脚光を浴びたのは、自動車ビジネスに革新をもたらす成功物語ではない。むしろ、技術革新のスピードがはらむ危うさからドライバーの安全、そして企業の信用やブランドをどう守っていくか、という重大な問題だ。「自動運転中」のテスラ車で起きた死亡事故は、自動運転ブームに沸く自動車産業全体にも警告を発している。

■自動運転モードの安全性強調

死亡事故が起きたテスラ車は、セダン型の「モデルS」。ドライバーが「自動運転モード」を作動させている最中にトレーラーの下へ潜り込むように衝突したという。米メディアの間では、自動運転中のテスラ車の事故で死者が出たのは初めてと騒がれている。

事故がシステム上の不備によるものか分かっていないが、光が非常にまぶしい状態で、自動運転のシステムも運転手もトレーラーに気付かず、ブレーキがかかった形跡がなかったという。この事故を受け、規制当局の米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が調査に入っている。

「自動運転モードには1億3000万マイル(約2億1000万キロメートル)以上の走行実績があり、初めて死亡事故が起きた。米国では9400万マイルに1件、死亡事故が起きている」――。テスラはNHTSAの調査に関して、こんなコメントを出している。つまり、自動運転モードの安全性を強調しているわけだ。

■強気の姿勢にはリスクも

しかし、この強気の姿勢には、リスクがあるかもしれない。少しでも誤解を招けば、米国の消費者から強い反発を受けかねないからだ。

典型例が2009年から2010年にかけて米国などで大規模リコールを起こしたトヨタ自動車である。トヨタは米国内でも「品質の優等生」という評価を受けていたが、リコール騒動が広がるにつれ、トヨタに対する視線は厳しくなった。

米規制当局は結局、トヨタ車の電子制御装置に欠陥はなかったとの調査結果をまとめたが、一連の騒動はトヨタにとっては痛手だった。ある日本車メーカー大手の幹部は当時、「トヨタは最初の対応が遅れたのではないか。風向きが変わり始めたのは、(社長の豊田)章男さんが米議会で直接説明してから。米国の消費者がいったん怒ると、なかなか鎮まらない」と話していた。

今回の事故を巡る調査がどう進展していくかは読みにくい。これからテスラに大きな逆風が吹き付けるのだろうか。

そもそも、ネット上では、テスラ車の事故発生時に車載バッテリーが炎上する場面の動画が流れ、その車両品質や技術を巡る評価は様々だ。しかし、そうした「ネガティブ(否定的)」な情報は、さほどテスラ車の売れ行きに関係してこなかった。

最大の理由は、テスラがEVや自動運転などの技術革新で最先端の技術を顧客に提供し続けていることだろう。車の購入者は先端技術に関心が高い高所得者が多いという。今回の事故に対するテスラの説明にも納得する顧客が多いようにも思えるが、これからテスラ車が売れれば売れるほど、慎重な対応が大切になってくる。

■どう振る舞うビジネス界の「英雄」

テスラの自動運転モードは「オートパイロット(自動運転)」をうたっていても、実際には運転補助機能にすぎないという。事実、テスラは「運転の責任は基本的に運転者側にある」としており、運転者が常にハンドルを握り、いつでも自動運転から手動に切り替えられるようしておくよう求めている。

しかし、「自動運転」と高らかにうたうマーケティング戦略は、時に顧客を惑わせるのではないか。テスラ車の顧客層が広がっていけばいくほど、最先端技術の使い方をより丁寧に説明していく努力がメーカーに求められるはずだ。それは、テスラだけでなく、他の自動車メーカーも同じである。

すでにテスラの時価総額は300億ドル(約3兆円)を上回る。株式市場から大きな期待がかかっているが、テスラの将来を買っているのは投資家だけではない。

2017年に投入する小型セダン「モデル3」。今春に予約の受付をスタートすると、開始から1週間で予約が30万台を優に超えた。テスラ車への関心の高まりは、顧客に果たす責任の大きさも示しているといえるだろう。

かつて米国で栄華を極めた米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の転落は、日本車などライバルの台頭だけが理由ではない。それよりずっと前に起こした欠陥車騒動とその後の不誠実な対応が衰退のきっかけだった。

テスラを率いる最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は、電子決済ベンチャーを創業して巨万の富を築き、それを元手にテスラや宇宙ビジネスに乗り出した。米国の人気映画「アイアンマン」の主人公のモデルとされ、「21世紀を代表する起業家」とも言われている。

そんなビジネス界の英雄はどう振る舞うのか。投資家だけでなく、ビッグスリー(米自動車大手3社)など先輩格の自動車メーカーは高い関心を示しているのだろう。そして、「いつかはテスラ」と考えている顧客たちもじっと見ているはずだ。

2016.7.2 日本経済新聞より

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