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滑って転んで賠償請求、相次ぐ「防滑」取り組み進む

2016.12.02[OFFICE21より]

お店などで滑って転んでけがをした人が、「床に問題があった」として裁判を起こす例が相次いでいる。高齢者の死亡原因のうち、転倒事故は年間約5千件で、交通事故を上回る。未然防止のため、床を滑りにくくする「防滑(ぼうかつ)」に取り組む事業者も出てきた。

■店の責任?客の過失?

大阪市の50代主婦は4月、市内のリサイクル店を相手取り約800万円の賠償を求める裁判を起こした。雨でぬれた床で滑り、足の靱帯(じんたい)を切るけがを負った。入院生活は約1カ月に及んだ。
主婦側は訴状で、「客が転ばないようにする義務があった」と主張。足拭きマットを敷いたり、床の清掃回数を増やしたりするべきだったと訴えている。一方、店側は「転倒には女性の過失が関係している」として争う姿勢だ。
同様の訴訟では、店側に賠償を命じるケースも出ている。岡山地裁は2013年、「ショッピングセンターの床に落ちていたアイスクリームで滑って転んだ」とする70代女性の訴えを認め、店側に約860万円の支払いを命令。大阪地裁では「餃子(ギョーザ)の王将」店内で転んだ40代女性に対し、店側が解決金100万円を支払う和解が15年に成立した。
「昔なら『自分が悪い』となった事案でも、ここ10年ほどで提訴になることが増えたように感じます」。建物内での事故訴訟に詳しい佐藤貴美弁護士(第一東京弁護士会)は話す。インターネットの普及に伴い、同種事故の訴訟情報が入手しやすくなったほか、権利意識の向上も背景にあるとみている。ただ、訴訟を起こしても、不注意だったとして主張が全面的に認められることはまれという。
佐藤弁護士は「いきなり裁判を起こすと社会がギスギスする。店側、客側が丁寧な話し合いで歩み寄ることも大切です」と話す。

■「時代とともに滑りやすくなった」

「防滑」に取り組む企業も増えつつある。
西日本高速道路(大阪市)はバリアフリー新法が施行された2006年以降、サービスエリア(SA)の店舗など約300施設の床材を、国土交通省の示す指標に沿うよう選定。部分的な補強には、特殊な薬剤を塗って対応している。
焼き鳥チェーン「鳥貴族」(同市)は転倒が数件あったため、約1年前から床に滑りにくい加工をしたテープを貼った。担当者は「安全・安心確保は、飲食店を経営する企業の責任」と話す。
10年に設立された「防滑業振興協会」(東京)には現在、建設業者など約40社が加盟。独自の試験に合格した「すべり測定士」を派遣し、国交省の指標に合っているか有償で測定。10年度は2件だったが、昨年度は36件に増えた。
同協会事務局の田中正也さん(49)は「床は時代とともに滑りやすくなった」と指摘する。店舗の床材は比較的滑りにくい塩化ビニール製が主流だったが、十数年前からセラミック製タイルが流行。表面が滑らかで清掃しやすい半面、水や油分が付着すると滑りやすくなる可能性がある。さらに塩ビに比べて硬いため、転倒すると危険という。
デザイン重視の建築が要因になっているとの指摘もある。大阪工業大学の吉村英祐教授(建築安全計画)は「雨に降られる場所でも表面がつるつるの床を使うなど、配慮に欠けている建物がある。設計段階で安全重視の観点を採り入れないと、誰もが安心して利用できる施設にはならない」と指摘している。(釆沢嘉高)

■高齢者の転倒死亡、年々増加

国の人口動態調査によると、平らな場所で滑るなどして転倒し、亡くなった65歳以上の高齢者は年々増加。2008年には交通事故死者を上回った。15年は転倒死5337人、交通事故死3187人だった。
日本建築学会は08年、床の安全を保つための指標として、「床の滑りにくさ」を数値化したものを提案。国土交通省も12年、この指標を建物の安全性向上などを目的とした「バリアフリー新法」のガイドラインに明記し、床材選びや仕上げの参考にするように促している。

2016.11.30 朝日新聞より

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