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大阪初の重粒子線施設が完成、10月に治療開始
2018.02.19
公益財団法人、大阪国際がん治療財団は16日、大阪府内で初となる重粒子治療施設が完成したと発表した。重粒子線は一定の深さで線量が強くなる特徴があり、体の内部にある病巣を狙い撃ちできる最先端の放射線治療の1つ。10月にもがん患者の治療を開始する計画だ。重粒子線施設としては全国で6番目となる。
大阪府内で初めての重粒子線施設。10月から患者治療を開始する(16日、大阪市中央区)
名称は「大阪重粒子線センター」。大阪城そばの大手前地区に立地。初年度は300人程度、2019年度から年間800~1200人の患者を受け入れる計画だ。隣接する大阪国際がんセンター(旧大阪府立成人病センター)とも連携し、総合的ながん治療を提供していくという。
重粒子線治療する治療室。3週間12回程度の通院で治療が完了する(16日、大阪市中央区)
同日記者会見した溝江純悦・重粒子センター長は「従来のエックス線や粒子線の1つである陽子線と比べて、治療回数・日数が少なくてすむ」とメリットを強調。今後は「日本人だけでなく、中国や韓国など外国人がん患者も受け入れていきたい」と話した。
重粒子線治療は公的保険の適用を前提とした「先進医療」で自己負担額が300万円以上かかっていたが、16年4月に骨などにできる「骨軟部腫瘍」で保険が適用された。18年4月からは新たに前立腺がん、頭頸部(とうけいぶ)がんも保険対象となることが決まっている。
2018.2.16 日本経済新聞より