0120-119-110

オンライン相談予約

各種セミナー情報

おかげさまで30周年

TOP QUALITY代理店

経済産業省日本健康会議で「健康経営優良法人」認定

ちょいのり保険

J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動

大阪エヴェッサ

Facebook

おすすめコンテンツ

お客様をがんからお守りする運動

スタッフ紹介

21 TOWN

BCP提携

保険会社リンク

東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動あんしん生命保険株式会社
エヌエヌ生命保険株式会社

インフォメーション

お客様をがんからお守りする運動

石綿で増えた中皮腫

2014.10.22

大阪府の泉南地域のアスベスト(石綿)加工工場の元従業員らによる集団訴訟の上告審で、最高裁は今月9日、健康被害について国の責任を初めて認める判決を言い渡しました。アスベストは耐熱性や絶縁性に優れる繊維状の鉱物で、断熱材や絶縁材などの用途で、幅広く使われてきました。

しかし、肺がんや中皮腫の原因になることが分かってきたため、2006年から全面禁止になっています。アスベストの繊維は、髪の毛の5000分の1と極めて細いわりに非常に丈夫で、一度吸い込むと肺の奥深くまで入り込んで排出されにくいことが発がん性の理由とされています。

もともと非常に珍しいタイプのがんだった中皮腫が、1990年代からアスベスト鉱山やアスベストを扱う工場の労働者に増え始めました。やがて、鉱山や工場の周辺の住民などにも患者が現れ、大きな社会問題となっています。

中皮腫は肺、心臓、胃腸などの臓器の表面を覆う胸膜、心膜、腹膜といった膜(中皮)にできる悪性腫瘍で、胸膜中皮腫が7~8割を占めます。難治性のがんの代表でもあり、早期に発見し手術で全摘できた例を除くと、完治の可能性はほとんどありません。

日本の中皮腫による死亡は80年代前半には年間100人程度にすぎませんでした。しかし95年に500人、00年に710人、13年には1410人と増加の一途をたどり、今後もこの傾向は続くと予想されています。一方、海外では米国、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドなど早い段階でアスベストの使用を禁じた多くの国で、90年代をピークに減少傾向に転じています。ただし使用禁止が遅れた英国は、日本と同様に増加傾向にあります。

喫煙でも放射線被ばくでも、発がん因子にさらされてからがんと診断されるまでには約10~30年の年月がかかります。米国では禁煙キャンペーンによって60年代以降喫煙率は低下しましたが、実際に肺がん患者が減ったのは90年代になってからです。

中皮腫は極めて治りにくいので、アスベストの使用禁止によって発症を予防するしか死亡を防ぐことはできません。個人的な見解ですが、最高裁の今回の判決は妥当なものだと思っています。

2014.10.19 日本経済新聞より

ページトップへ