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がん細胞に壁、免疫力保つ 新薬「オプジーボ」保険適用拡大 副作用少ない「第4の治療法」へ

2016.03.23

従来の抗がん剤とはまったく違う仕組みでがんをやっつける治療薬が登場した。体に備わる免疫の仕組みを生かす免疫チェックポイント阻害剤の「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」だ。日本発のこの新薬は2014年からまず皮膚がんで使えるようになり、肺がんにも健康保険が適用された。顕著な効果を得られずなかなか臨床現場に根付かなかった免疫療法が定着するかもしれない。

オプジーボは14年9月に小野薬品工業などが皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)向けの免疫チェックポイント阻害剤として発売した。国内で公的医療保険が適用された初めてのがん免疫療法の薬とされる。

がん細胞は表面に「PD―L1」と呼ぶ分子がある。これがT細胞(免疫細胞)の表面にある分子「PD―1」と結合すると、T細胞はがんを攻撃する力を失う。PD―1は免疫力が過度に高まらないよう監視し、行き過ぎそうになったらブレーキをかけて自分の細胞や組織を攻撃するのを防ぐ「チェックポイント分子」だからだ。

オプジーボはこの結合を邪魔するようにつくられたたんぱく質(抗体)で、患者に投与すればT細胞はがん細胞を異物ととらえ攻撃する能力を取り戻す。

がん細胞だけでなく正常な細胞にも作用し、DNAを傷つけたり細胞分裂を防いだりする一般的な抗がん剤とは仕組みが全く異なる。

オプジーボの場合、発売に先立つ国内での臨床試験(治験)では、抗がん剤が効かない悪性黒色腫の患者35人へ投与したところ、約23%にあたる8人でがんが小さくなるなどの効果が出た。

 

科学の十大ニュース

悪性度が高いと5年後の生存率が1割前後という治療の難しいがんだけに、この効果は免疫療法に懐疑的だった医師の見方を変えた。13年、米科学誌サイエンスはその年の科学の十大ニュースに選んだ。

オプジーボは15年12月には切除できない非小細胞肺がんでも製造販売の承認を取得した。小野薬品によると、16年1月末までに国内で2000人超がオプジーボを使ったという。同社の株価はこの1年半で2.5倍になった。

開発のきっかけは免疫学者である京都大学名誉教授の本庶佑さんらによるPD―1の発見だった。1992年にT細胞上にこの分子を見つけ、99年には免疫細胞の働きを制御するブレーキ役を担っていることを突き止めた。

治療薬候補が完成し、06年に米国で、08年には日本で治験を始めた。本庶さんは「従来の免疫療法はアクセルを踏み込んでがんをやっつけるやり方だった。PD―1分子は正反対の発想だ」と語る。

免疫チェックポイント阻害剤は免疫力を取り戻すことでがんをたたく治療法のため、副作用が少ないとされる。半年間使い続ければ薬価が800万~1800万円になるとても高価な薬だが「3~6カ月の投与で効果を判断でき、有効なら数年は効果が続く。費用対効果は大丈夫」(本庶さん)。

 

米大手も治療薬

オプジーボの他にも免疫チェックポイント阻害剤はある。11年に米製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が米国で発売した悪性黒色腫の治療薬「イピリムマブ(一般名)」だ。T細胞が持つ「CTLA―4」という分子と結合し、がん細胞によって抑えられていたT細胞の攻撃力を回復させる。

がん免疫療法の研究開発は40年に及ぶ歴史がある。70年代にはBCGや丸山ワクチンを使った治療法の研究が始まった。80年代にはサイトカイン療法や養子免疫療法が注目され、90年代にはペプチド(たんぱく質の断片)を使うがんワクチン療法が盛んになった。2000年以降は遺伝子改変したT細胞を患者へ移植する臨床研究も実施された。

ただ、どれも臨床現場の支持を得て広く普及するような効果を示せなかった。外科手術と抗がん剤、放射線治療の3手法を組み合わせる標準治療に比べると見劣りする状況が続いた。

日本の科学者や製薬企業が生み出した免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボは治療効果に注目が集まり、国民の2人に1人がかかるがんの治療に新たな希望を与えた。免疫療法ががんの第4の治療法として広がる可能性がようやく出てきた。

2016.3.18 日本経済新聞より

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