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遺伝性の乳ガン 再発予防に公的保険適用へ

2019.11.06

政府は遺伝性の乳がんになり治療した患者を対象に、将来の再発を防ぐ治療にも公的医療保険を適用する方針だ。がんになった後の検査で、遺伝性だと判明した人の検査費用も一部を保険で賄う。遺伝性の乳がんは年5千人程度の患者がいる。がんは再発の恐れがあるが、適切な治療をすればリスクを下げられることが科学的に分かってきたため、公的に支援する。

「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」の診療に保険を適用する。中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)で議論を進め、政府はHBOCを健康保険法などで定める「疾病」に該当するとみなす方向だ。2020年度中の適用を目指す。がんを発症した人への診療や検査が対象となる。

HBOCの人は乳がんにかかる確率が41~90%と通常の6~12倍といわれる。年間で約9万人が乳がんと診断されるうち、明らかに遺伝性といえるのは5千人程度だ。がんができていない乳房を切除すれば、乳がんのリスクが9割減る。卵巣と卵管を切除すると、卵巣がんのリスクを9割減らせ、生存率も上がる。

遺伝子検査や予防手術は高額だ。遺伝子検査は約20万円かかる。手術だと卵巣と卵管で70万~80万円、片方の乳房で50万円以上かかる。保険が適用されれば自己負担は原則3割になる。自己負担が一定額を超えると、申請すれば超過分が戻ってくる高額療養費制度を使えるようになる。

一方、まだ発症していない人が予防手術をしたり、遺伝子検査をしたりする場合の保険適用は見送る。政府関係者は「有効性や安全性に関する科学的根拠を集めている段階だ。国内の知見が十分得られれば、保険適用の是非を考えられる」とし、引き続き検討していく。

2019.11.5 日本経済新聞 イブニングスクープより

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