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がんゲノム治療 保険適用

2019.05.30

厚生労働省は29日、がん患者の遺伝情報から最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」への保険適用を初めて決めた。薬を選ぶまでの医療費は56万円となる。がん治療ではがんの遺伝子変異をもとに薬を選ぶ。これまでは一度の検査で少数の遺伝子しか調べられなかったが、がんゲノム医療では多くの遺伝子を調べられる。最適な薬が早く見つかる可能性が高くなる。

29日午前に中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会を開き、了承された。保険診療の対象になるのは「がん遺伝子パネル検査」。シスメックスと中外製薬がそれぞれ保険適用の希望を申請していた。6月1日から適用になる見通しだ。

がんは遺伝子の変異をきっかけに発症する。遺伝子変異を探し、対応する薬を投与すれば高い効果が期待できる。遺伝子パネル検査はがん組織などの多数の遺伝子を一度に調べ、専門家が結果を解析して最適な薬の選択につなげる。

検査は保険外診療だったため費用は数十万円と高額だった。保険適用で患者は原則3割負担になる。1カ月の自己負担の上限を定めた高額療養費制度を利用できれば、自己負担はさらに抑えられる。ただ対象は固形がんの患者で、最適な治療法である「標準治療」を終えた場合などに限られる。検査をしても薬の選択につながるケースは1~2割とされる。

保険適用にあたり、厚労省は患者から同意を得られる場合、病院に国立がん研究センターへの遺伝情報の提供を義務付けることにした。データを集積することで精度を高めるための研究や創薬などにいかす。

2019.5.29 日本経済新聞より

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