株式会社オフィストゥーワン

お客様をがんからお守りする運動

仕事とがん

2019.07.01

日本では、2人に1人が一生のうちに「がん」になるといわれています。また、生産年齢人口(15~64歳)では3人に1人が、がんになっています。がんは身近な病気であり、誰もがなりうる病気なのです。治療法にも、がんを切除する手術や抗がん剤による化学療法、放射線でがん細胞を破壊する放射線療法に加え、体内から異物を排除する免疫の力を使った免疫療法などがあり、がんの性質にあった、またその人にあった選択ができるようになりました。

■がんと向き合い働く

がんを発症したからといって、すぐに仕事を辞めて治療に専念する方は多くはないと思います。医療費もかかりますし、なにより仕事に生きがいを感じている方が少なくないからです。会社としては、生産性だけを考えるのではなく、社員の人生も考えながら雇用を継続していくことが求められます。

がんと向き合いながらの就労では、体調を崩さないことが第一となるでしょう。また、会社としては階段からの転落など、労働災害のリスクを考慮して、職場環境を整えることが必要となるでしょう。

IT企業に勤務する40歳代男性の事例です。40度以上の発熱があり、頭が痛いため病院で受診したところ、脳にがんが見つかりました。さらに検査したところ、肺からの転移だったことが判明。放射線療法と免疫療法による治療を行いました。2カ月間の休職の後、復職希望があり、人事部からの依頼で産業医が面談しました。

主治医の診断は復職可能というもので、1カ月に1回、病院で治療と検査を行う予定となっていました。体調はというと、多少の目まいはあったものの食欲もあり、頭痛や倦怠(けんたい)感もなく、睡眠も取れているとのことでしたので、まず通勤時の体の負担をみるために、2週間の通勤訓練を行いました。特に問題もなかったので、体調不良の際は無理しないことを確認して、復職可能と判断しました。

まず、週3日、午前中3時間の短時間勤務(時短勤務)から始め、体調をみながら段階的に勤務時間を延ばし、復職後3カ月で時間外労働なしの通常勤務としました。現在も通院治療をしながら、勤務しています。もちろん、定期的に産業医との面談を行い、体調を確認しています。本人も「再発への不安感はあるものの、同僚と話をしたり、仕事をしたりすることで、病気を忘れられることもある」と話しています。

■便潜血反応が陽性なら必ず内視鏡検査を

がんのリスクは社員に限りません。ある会社経営者の男性の事例です。定期健康診断のたびに、大腸がんを検査する便潜血反応検査で、出血を意味する陽性反応が出ていました。1000人を超える社員を擁する会社のトップなのですから、しっかり健康管理をしているはずだと思っていましたから、「便潜血反応には注意してくださいね。精密検査を早めに受けて下さいね」と念を押しましたが、忙しかったのでしょう、しばらく様子をみていました。ところが、あるとき病院へ行ったら、大腸がんだと分かりました。すでにいろいろな所に転移していて、それから3カ月で亡くなりました。

便潜血反応検査は定期健康診断の法定項目ではないので、健診でやっているところとやっていないところがあります。便潜血反応が陽性でも、95%以上の人は、がんではありません。しかし、検査で陽性反応が出たときは、早めに大腸内視鏡検査を受けるようにして下さい。 がん発見の指標になるからです。また、大腸がんであっても全ての人が便潜血反応で陽性が出るわけではなく約20%にとどまるといわれているのです。

早期に大腸がんが見つかったら、むしろラッキーと思ったほうがいいでしょう。 陽性が出たにもかかわらず、再検査で陰性だったら「問題なし」とする医師もまれにいます。もう一度、便潜血検査を行うのは意味がありません。 常に出血が続いているとは限らないからです。また、採取した便に血液がついていない場合もあります。 陽性でしたら必ず大腸内視鏡検査を受けてください。

■「明日は我が身」と考える

一度、私が産業医を務める会社の人事部の担当者を怒ったことがあります。がんを発症してしばしば休む社員がいたのですが、その担当者が「われわれは株式会社なので生産性を上げなくてはならない。株主への責任があるのだから、著しく生産性に劣る社員はいらない」と言ったのです。これはさすがに行きすぎでしょう。がんは特別な病気ではありません。むしろ「明日は我が身」と考え、寛容であることが必要ではないでしょうか。

それでは、がんと向き合うとき、働き手は、あるいは会社はどうしたらいいのでしょうか。

まず、自分ががんだと分かった場合です。

治療が長引きそうな場合や、長期間ケアしなければならない場合、信頼できる上司、人事担当者、産業医、保健師などに相談することが大切です。自身のがんの種類や、治療経過などを伝えることで、急な体調不良などで休んだり、通院したりすることを理解してもらい、協力を得られれば、余計な心配をしなくてすむことでしょう。自分で抱え込み、無理に出社して体調をさらに悪化させることのないようにしてください。

■負担軽減へ職場の環境整備を

次に、社員ががんを発症したと分かった場合、会社は具体的にどうしたらいいのでしょうか。

まずは、主治医から診断書をもらい、就労可能かどうか、あるいは就労の条件を聞くことが必要でしょう。主治医が患者の具体的な仕事の内容まで把握するのはなかなか難しいでしょうから、その人の業務がどのようなものか知っている産業医の意見を聞くことも必要でしょう。主治医の診断書に加えて、産業医の面談で、就労について決めていくことが求められます。

経過が良くない場合は就労の条件を見直し、負担なく働いてもらえるように配慮すべきでしょう。就労時間、業務の変更など柔軟な対応が求められます。また、その社員の能力をいかに生かし、会社での役割を与えるかなど、ポジティブな観点からの対応が不可欠です。がんになっても安心して働ける職場づくりに努めることで、がんを発症していない社員も将来への不安を払拭することができるでしょう。 政府が2018年に閣議決定した「第3期がん対策推進基本計画」では、全体目標「がんとの共生」の中で就労支援の充実を強く求めています。がんと向き合いながら、働きやすい職場づくりが社会的に求められているのです。

■会社にもしっかりと考えてもらいたい

がん発生の仕組みをご存じでしょうか。人間の体のなかでは毎日5000個の異常細胞が生まれるといいます。免疫細胞がこれを食べてくれるのですが、なんらかの理由で免疫細胞が弱ると異常細胞がどんどん増えてがんになります。加齢にともなう遺伝子の異常が、異常細胞の増加の原因とも考えられており、年齢を重ねるほどがんになりやすいといえます。

つまり、会社の中でもある年齢層になると、がんになる人が増えるというわけです。 だからこそ、会社にもしっかりと考えてもらいたいと思うのです。がんになってしまった社員が働くことに対して、躊躇するという会社もあるかもしれません。 しかし、働くということは、収入に加えて、生きがいとしても大きな意味を持ちます。こうした意志を支えていくことも、まさに企業の社会的責任(CSR)として求められる役割なのではないでしょうか。

2019.6.30 日本経済新聞より

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