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働き盛りの死 ダメージ大きく

2019.10.31

1年間にがんと診断される日本人は101万人に上り、38万人近い人がこの病気で命を落としています。がんは死因のトップで、全体の3割弱を占めています。死亡数は85年の2倍にもなっています。

がん死亡が増えている最大の理由は高齢化です。がんは遺伝子の老化といえる病気ですから、年齢とともに増えていきます。高齢化の影響を除いた「年齢調整がん死亡率」は年々減少しています。

さて、年代別では、男性は10~44歳は自殺が死因のトップですが、それ以外のほとんどの年代では、がんが死因の1位を占めます。女性でも、自殺がトップの15~34歳を除くほとんどの年代で、がんが死因の1位です。

がんが死因に占める割合は、20代では1割前後で、その後、年齢とともに高くなっていきます。男性では65~69歳がピークで、この年代では、がん死亡は死因全体の半分弱を占めます。女性では55~59歳がピークで、死亡の6割近くが、がんによるものです。

女性の方が若い年代にピークが来る理由は、乳がんは40代後半、子宮頸(けい)がんは30代に最も多いからです。

がんで死亡する割合は、男性では70代以降、女性では65歳以降は低下していき、100歳以上になると1割にもなりません。心臓病、肺炎、脳卒中、老衰といった、がん以外の病気が原因で死亡する割合が高くなるからです。

がんによる死亡数は年齢とともに増え続けるのはたしかですが、がんが死因となる割合は65~70歳からは減り続け、他の病気で死ぬ確率が高まってくるというわけです。

死因としてがんは、中年から70歳前後までの年代で比率が高いのです。がんは働き盛りで家計を支える患者を襲います。もちろん、家族にも大きなダメージになります。

私も義理の妹を48歳の若さで、大腸がんで亡くしました。50歳の死亡と100歳での死亡では、家族に与える影響は全くちがってきます。

こうした悲劇を避けるには、がんにならない生活習慣を心がけ、運悪くがんになった場合でも、早期発見で完治させることが大事です。

人生100年時代と言いますが、「長く、ハッピーな老後」をはばむ最大の壁が、がんによる死亡だといえるでしょう。

2019.10.30 日本経済新聞より

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