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乳がん 定期健診を受け自己検診を習慣化 早期発見と適切な治療が重要

2008.6.30[芳賀孝之より]

日経新聞でこんな記事みつけましたシリーズ!

 日本人の女性の乳がん発症者数、死亡者数はこの数十年、一貫して増え続けている。近年は年間に四万人以上の方が新たに発症し、死亡者数も一万人を超えています。女性のがんでは発症者数、64歳までの死亡者数ともに第一位です。一生涯に乳がんにかかる確率は22人に一人をアメリカ人女性と比べの8人に比べまだ低いのですが、その差は急速に縮まっている。  
その原因はライフスタイルの変化が大きいと考えられています。特に、食事が高脂肪の欧米型に変わったことです。また、初産の高年齢化や出産しない女性の増加なども原因のひとつと指摘されています。発症のピークは四十歳代後半でほかのがんいn比べ若いことが特徴ですが、最近は閉経期から閉経後の発症も増え、欧米型の年齢分布に近付きつつあります。
日本乳癌学会の報告によると、乳がん治療後の十年生存率は、他の臓器に移植してる場合には20%台ですが、乳房のしこりの大きさが2㌢㍍以下でリンパ筋への転移もない段階なら95%まであがります。従って、乳がん検診をきちんと受けてできるだけ早く発見し、専門医の適切な治療を受けることが何よりも大切です。  
かつては視触診のみが行われていましたが、最近はより小さながんも見つけられるよう、厚生労働省の指導でマンモグラフィーとの併用検診になっています。対象は40歳以上、受診頻度は2年に1回が推奨されています。ただ、できれば人間ドックなどで超音波による検査を自主的に行い、毎年1回は定期的に検診を受けれるようにしてほしいものです。  
患者さんの約8割は自分で何らかの異常に気づいたことが乳がんの発見につながっています。自己検診のポイントは、がんを探そうとするより、乳房やわきの下に普段と違う点がないかを調べることが大切です。腕を上げた状態と下げた状態を鏡に映し形や色を観察する。指の腹で乳房を軽く押すように滑らせ、痛いところや硬くなっているところ、皮膚のひきつれや、くぼみなどがないかを調べます。
1ヶ月に1回ぐらいの頻度で行います。ただ、検診に関しては、考えておくことが2つあります。1つは、自己検診に頼りすぎるのは、禁物ということ。検診の本来の目的は、自覚症状がない段階で、がんを見つけることです。自分で異常に気づいたことがきっかけで、がんが見つかる人が多いというのは自治体などによる定期健診の受診率が低いことの表れでもあるのです。
もう1つは、矛盾するかもしれませんが、定期検診も完全ではないということです。自己検診では普段と違うと感じたのに、3ヵ月後の定期検診で、異常なしという結果が出たので、安心しそのままほっておいたら進行がんになってしまったという患者さんもいらっしゃいます。従って、定期検診をきちんと受け自己検診を習慣付けるとともに、なにか気がかりな点があったら、すぐに乳腺科や乳腺外科などの専門医に診てもらうことが重要になります。  
病院での診療はマンモグラフィーと超音波検査を行いがんの疑いがあれば、針で細胞を取って調べる細胞診や組織をとって調べる針生検により、確定診断を行います。がんと診断がついたら、コンピューター断層撮影装置(CT)か磁気共鳴画像装置(MRI)でがんの広がりなどを精査し、患者さんと話し合った上で、治療方針を決定します。  
治療は手術、薬物療法、放射線療法の3つを組み合わせます。手術では大きくとるから、小さくとるへの変化が最近の傾向です。昔は乳房と周囲の胸の筋肉、わきのしたのリンパ節を、ねこそぎ、切除していましたがその後は胸筋温存乳房切除術が主流になり、さらに、近年しこりの大きさが3㌢㍍以下など一定の条件を満たせば乳房温存術が標準になっています。  
乳房温存術の安全性の問題は、海外の大規模臨床試験では、再発率、生存率とも胸筋温存乳房切除術と大差がないという結果がでています。ただ、乳房温存術で最も大切なのはがんをきちんと取り、美容的にも患者さんがほぼ満足できるようにすることです。  
最近、手術と薬物療法の順番が入れ替わってきました。以前は手術の後に薬物療法を行うことが一般的でしたが、針生検で一人ひとりの患者さんのがんの個性を調べ、それに応じてアルキル化剤、代謝拮抗剤、微小管阻害剤などの抗がん剤、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤などのホルモン剤による薬物療法から始める例が増えています。がんを小さくして手術不能ながんを手術可能にしたり乳房温存術ができるようにすることが目的です。また、分子標的治療薬という新しい薬が使われるようになったのも大きな変化です。  
その薬はがん細胞だけを狙い打ちする薬です。乳がんの20から30%はがん細胞の表面にHER2たんぱく過剰に発現しています。そのたんぱく質は乳がんの増殖に関与していると考えられており、これを狙い打ちするのが新しく開発された分子標的治療薬です。この分子標的治療薬により、悪性度の高いがんでも治療の可能性が広がりました。費用は高いですが、効果が期待されているので副作用などの安全性を十分に考慮したうえで使われています。主な副作用は初回投与時の発熱・悪寒と投与期間中の心機能の低下です。保険適用は転移性乳がんに限られていましたが、今年2月から初発がん手術後の術後補助化学療法を目的とした使用も可能になりました。  
乳がんの再発率は、平均すると3割程度ですが、進行度やがんの個性によって大きく違います。たとえばホルモン感受性が高いがんの再発率は低いのに対し、ホルモン剤も分子標的治療薬も効かないトリプルネガティブと呼ばれるがんは早期でも再発率が高いといった具合です。  
再発を防ぐために初発がんのときに最善の治療を受けることが最も大切です。最善という言葉に2つの意味があります。1つは、科学的な根拠に基づく「標準治療」であること。もう1つは一人ひとりの患者さんの生物額的な個性に応じた「個別化治療」ということです。乳がんと闘うための武器は、他のがんより多くあります。がんと診断されても希望をもち、その時点で最善の治療を受けるようにしてほしいと考えています。

愛知県がんセンター中央病院乳腺科岩田広治部長のお話より

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