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女性特有のがん患者 精神面のケア広がる

2013.7.5

がんや子宮がんなど女性特有のがん患者が増加傾向にある。この病と闘う辛さは身体的な苦痛だけでなく、周囲に話せないような精神的苦しみを伴うことが多いことだ。「誰にも相談できない」と悩む女性を支えようと、患者のサポート団体や病院が支援の輪を広げている。女性特有のがん患者への精神的ケアを追った。

「きれいになった自分を写真に撮り、生きる力にしたい」。6月中旬にがん患者支援団体のNPO法人キャンサーネットジャパン(東京都文京区)などが子宮がんや卵巣がんなどの患者向けにメーク教室と写真撮影会を開いた。がん治療中は、抗がん剤の影響でまつげや眉毛まで抜け、肌が黒ずんでしまうことも多い。「外見を気にして治療以外は自宅から出られない女性もいる」と講師を務めた乳がん体験者で美容ジャーナリストの山崎多賀子さんは話す。

くすんだ肌をきれいに見せるメーク術や、つけまつげや眉毛の書き方などについて講習を受けた後は、実際にメークをして、写真撮影をする機会も設けた。もしもの時を考え、「きれいな時の自分を撮っておこう」という趣旨だ。

同会に参加した、子宮頸(けい)がん闘病中のプロゴルファー、平形ひろみさん(45)は、「最期を考えないと、今を戦えない」と語る。自分の死後をどうするか。そうした不安を少しでも解消することで、今を精いっぱい生きようと思えるという。

卵巣がんや子宮がんを併発した千葉県在住の柴田敬子さん(58)も「自分の元気な姿を家族に見せることで安心させられる」と話す。キャンサーネットジャパンなどは、こうした会を全国に広げていく考えだ。

約10年前から子宮がん患者などの支援活動を始めた、認定NPO法人オレンジティ(静岡県)の河村裕美理事長は、「女性特有のがんは偏見も根強い。生殖器のがんについて周りの人に話すことをためらう女性患者は多く、後遺症などについても恥ずかしく思って悩みを誰にも相談できない場合がある」と説明する。

オレンジティは患者同士が気兼ねなく話し合える「おしゃべりルーム」を毎月開催している。こうした場を求めて、北海道などの遠方から訪れる女性もいるそうだ。身近に相談できる場がほしいという声に応え、この取り組みを各地で独自に引き継ぐ動きも出てきている。千葉県では、4月に女性特有のがん支援団体「オレンジ・リーフ」が立ち上がった。鈴木敬子代表は「この病気は再発懸念もあり、退院後もずっとつきあう必要がある。毎月会って話し合える場が身近にあるのは支えになる」と力を込める。

病院も患者の精神面の支援に力を入れている。国立がん研究センターは、4月にアピアランス支援センターを開設した。専用の部屋には、主要メーカーのかつらや化粧品が所狭しと並ぶ。7月から毎週2回、患者向けにセミナーを開き、かつらを実際に試着し、メークを試すことができるようにした。

野澤桂子センター長は、「病気の時はおしゃれをしてはいけないと考える患者も多い。そうではなく、きれいになって自分に自信を持つことで元気になれるということを伝えていきたい」と強調する。

慶応義塾大学病院では、子宮頸がんの子宮温存手術をした患者向けに、術後の性交渉や、妊娠について詳細に記載したパンフレットを作成した。「術後に性交渉が怖くなったり、妊娠ができないなどと考える患者さんが多い」と看護医療学部の小松浩子教授は語る。

パンフレットは産婦人科や小児科の医師、看護師など幅広い医療関係者が関わって作った。作成に携わった看護部の片岡美樹看護師長は「子宮を温存する患者は20~30代と若い人が多い。手術前後に加え、妊娠・出産までケアしていきたい」と話す。

慶応病院では、患者に加え、パートナーの男性にも、医師や看護師が個別に術後の夫婦関係について説明する機会を設けている。患者に対する偏見を減らし、精神的負担を軽減するためにも、患者支援団体のほか、病院などが連携していくことが必要だ。

2013.7.3 日本経済新聞より

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