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がん、原因は遺伝子の傷

2013.10.07

日本人の2人に1人が発病するがんは「遺伝子の病気」といわれる。体の細胞の遺伝子が傷つき、いくつかの段階を踏みながら細胞が姿を変え、あるとき悪さをし始める。肺や胃など同じところにできたがんでも、遺伝子の変わり方で病気の深刻さも様々で、効く薬にも違いがあることがわかってきた。最先端の遺伝子研究が、がんの正体に迫ろうとしている。人間の体はだれでも約60兆個の細胞からなる。正常な細胞のうち、たまたま異常になった1個の細胞が、その後、増え続けてできる細胞の集団ががんだ。ある時から堰(せき)を切ったように猛烈な勢いで増殖し続け、正常な組織や臓器の機能を妨げて、乗っ取ってしまう。

最初のがん細胞は一体どのように生まれるのか。生命の設計図役を担う遺伝子のうち、がんに関連する遺伝子がなんらかの傷を負い、本来の役割を果たせなくなることが引き金になる。

遺伝子は、細胞の核にある、塩基で構成されたひも状のDNAでできている。DNAが紫外線や化学物質、食べ物など様々な環境要因で切れたり壊れたりすると遺伝子の傷となる。

大半の傷はそのつど修復されるが、細胞が何度も分裂を繰り返すうちに、傷ついたままの遺伝子が何種類か残ってしまうと、がん細胞になる。「多段階発がん」という仕組みだ。

1980年代後半に初めて多段階発がん説を提唱したのは、米ジョンズ・ホプキンス大学のフォーゲルスタイン博士たち。共同研究者で91年に大腸がんを引き起こす最初の傷となる「APC遺伝子」を見つけたと発表した中村祐輔米シカゴ大教授は「多段階発がん説がもとになって、現在の最先端のがん治療薬の開発が進んだ」と語る。

がんに関連する遺伝子には大きく分けて2つのタイプがある。がんへのアクセル役となる「がん遺伝子」と、ブレーキ役を担う「がん抑制遺伝子」だ。

がん遺伝子といっても細胞を増やさなければならないときだけに働けば問題ないが、傷がつくと不要なときにも細胞を増やし続けてしまう。

異常な遺伝子を持った細胞が増えないよう働くがん抑制遺伝子も、傷がつくとその機能を失う。これまでにがん遺伝子は数百個、がん抑制遺伝子は100個程度見つかった。

2000年代以降、傷ついたがん遺伝子を標的にした分子標的薬の開発が進んできた。現在、国内でも乳がん、肺がん、大腸がんなどで使われている。

がんの中には傷ついた遺伝子が親から子へ遺伝するがんがあることもわかってきた。代表的なのが家族性乳がん。米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝子診断を受けた結果、将来、高い確率で乳がんを発病する可能性が判明し、予防のために左右の乳房の切除手術をしたことで注目を集めた。

遺伝子診断ができるのは、乳がんになる人が多い家系を詳しく調べた結果、1990年代に親から子へ遺伝する遺伝子「BRCA1」と「BRCA2」が見つかったからだ。ともにがん抑制遺伝子で、親から傷がついた遺伝子を受け継いでいると6~8割の確率でがんになる。

原因遺伝子の発見者である東京医科歯科大学の三木義男教授は「生まれつき傷があるため、どうしてもその後傷がたまりやすく発症しやすくなる」と解説する。

多くのがんは、傷ついたがん遺伝子やがん抑制遺伝子の組み合わせでできる。その組み合わせはたくさんあり、個人によって違う。同じ臓器にできたがんでもまるで別の「顔つき」となり、悪性度や効く薬の違いを生み出す。

2012年、国立がん研究センター研究所の河野隆志分野長らは、保存されていた肺がん患者のがん組織をもとに、本来くっつくことのない2つの遺伝子の融合によって異常な増殖が促される肺がんを発見した。肺がんのなかのわずか1~2%にすぎないが、このタイプは、既存の甲状腺がんの治療薬で攻撃できることも突き止めた。

河野分野長は「今後もさまざまながんで遺伝子の変化の仕方によるタイプ分けが進むだろう」と予測する。がんと遺伝子は切っても切れない。

2013/10/6 日本経済新聞より

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