株式会社オフィストゥーワン

北海道大学と日立製作所は17日、共同開発した最新鋭のがん治療装置を備える「北海道大学病院陽子線治療センター」が完成したと発表した。放射線の一つである陽子線を、呼吸などで位置が変わるがん細胞に正確に照射できる世界初のシステムで、周囲の正常細胞への影響を小さく抑える。肺がんや小児がんなど従来の設備では治療が難しい患者に活用していく。

同設備は2010年に国の「最先端研究開発支援プログラム」に採択された。日立製作所の川村隆会長は同日の開所式で米国の３病院から受注したと話し「システムを日本だけでなく、世界に納め、日立のヘルスケア事業の柱にする」との方針を語った。

同センターは札幌市内にある北大の構内に開設し総事業費は約40億円。陽子線加速器の小型化にも成功し、日立の既存設備に比べ設置面積を約３割減らした。

2014.3.18　日本経済新聞より