株式会社オフィストゥーワン

お客様をがんからお守りする運動

小児がん負けぬ姿みて 体験語り元患者交流の輪

2014.10.28

「再発しないか、不安」。14歳で小児がんを発症した福岡県芦屋町の高校2年の女子生徒(17)は病気の治癒後も悩みを抱えていた。9月、小児がん経験者ら約20人と福岡市の慈善イベントに参加し、寄付の呼びかけの合間に言葉を交わした。「心の内を話せてほっとした」と笑顔をみせた。

そんな交流を北九州市の自営業、林志郎(はやし・しろう、36)はうれしそうに見守った。6歳で発症した白血病を克服。2007年以降、九州の小児がん経験者のリーダー的存在として、彼らが悩みを語り合う場をつくってきた。

小児がんはかつては克服が難しかったが、医療の進歩で7~8割が治るようになった。ただ臓器異常などの合併症が後に生じる恐れがある。病気と長く向き合う中で、「家族に心配かけたくない」「分かってもらえない」などと不安を抱えたまま孤立しがちだ。

偏見感じ苦しむ
林はそんな現状を変えようと、小児がん経験者が参加するキャンプやトーク会の開催を支援し、自助組織の立ち上げにも携わる。同じ病を克服した人たちとの触れ合いが支えになるからだ。

自身の体験から「社会の偏見と差別も僕らを苦しめている」と訴える。闘病から復帰した学校でいじめに遭った。就職活動では病歴を理由に不採用になった。女性に病気のことを明かすと「重い」と距離を置かれ、恋愛が挫折したこともある。

希望を失った20代半ば、救いとなったのが仲間との交流だった。入院時の主治医が催した久留米大病院(福岡県久留米市)の小児がん経験者の集いに行ってみた。「幸せがつかめない」「困難があってもあがいていきたい」。体験を語り合ううちに自分の思いを整理できた。「苦しみの根源には、病と向き合わない自らの心の弱さがある」

「未来の希望に」  
経験者が交流する取り組みを始めた。07年にインターネットにホームページとブログを開設し、自分や仲間の体験を赤裸々につづった。患者の保護者たちから「苦しむ人をさらに傷つけるのか」という非難もあったが、それを大きく上回る共感の声が届いた。

ネットを通じ、小児がん経験者や医療関係者ら200人以上と知り合えた。仲間となった人に会いに行き、「ひた向きに生きる姿を闘病中の子供たちに見せよう。僕らが未来の希望になる」と訴え続けた。

訴えが広がり、福岡や沖縄で、小児がん患者の支援団体や経験者の自助組織が設立された。社会の偏見をなくすため声も上げ始めた。林は12年に非営利団体「九州沖縄広域小児がんネットワーク クールプラス」を立ち上げ、交流の輪を広げようと歩み続ける。

同年、小児がんだった女性と結婚し、2人の子供も授かった。小児がんに感謝する気持ちが芽生えてきたという。「日常のささいな出来事がうれしい。毎日を悔いなく生きようと充実している。病が教えてくれた心の置き方かもしれない」。かみしめる希望を、多くの仲間に伝えるつもりだ。

(敬称略)
文  諸岡良宣 「明るい人柄とあふれる活力が仲間をひき付ける。僕らをつなぐ核のような存在」
NPO法人「にこスマ九州」事務局長、井本圭祐さん(29)

2014.10.26 日本経済新聞より

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