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重粒子線、動く患部狙い撃ち 放医研

2015.02.20

放射線医学総合研究所は重粒子線や陽子線でがんを狙い撃つ治療法で、呼吸とともに患部が動いても効果を高める技術を開発した。肺や膵臓(すいぞう)、肝臓は呼吸に合わせて位置が1~2センチメートル変わるが、臓器の動きが小さくなる1秒程度の間に患部を狙い撃つ。10人前後の患者で臨床研究を始め、有効性を確かめる計画だ。

重粒子線や陽子線は皮膚の表面から深くなるほど照射線量が増え、患部で最大となってがん細胞を殺す。臓器が動くと、患部の周りの正常な細胞を傷つける恐れがある。

新技術は動画を撮れるコンピューター断層撮影装置(CT)であらかじめ患者の臓器の形状と実際の動きをとらえ、照射中にリアルタイムで位置を調整できるようにした。動きに合わせて重粒子線を照射する。

1月末に病院内の倫理委員会から承認を受け、臨床研究に参加する患者の募集を始めた。肺、膵臓、肝臓がんの患者が対象で、それぞれ3~4人を募る予定だ。これまで重粒子線治療では、あまり動かない前立腺や頭頸(けい)部が多かった。

2015.02.17 日本経済新聞より

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