株式会社オフィストゥーワン

脳腫瘍に対しては、開頭手術をせず、放射線を集中放射して治療するガンマ・ユニット（ガンマナイフ）もある。

調査で「手術なし」が全国で３番目に多かった藤枝平成記念病院（静岡県藤枝市）はガンマナイフをいち早く導入した病院の一つ。1991年11月から2014年末までの症例数は、系列の東京ガンマユニットセンター（東京・中央）と合わせ１万4018件に上る。

ガンマナイフは脳の深い部分や重要な機能を担う部分にがん細胞がある場合、病変部だけを狙って治療することができる。直径３センチ以下あるいは、体積がおおむね15cc以下の腫瘍が対象で、手術では安全な摘出が困難な部位にも適応する。

通常３日間の入院で、局所麻酔と静脈麻酔での治療が可能。子供から高齢者、また全身麻酔下での手術に危険が伴う状態の人でも、大きな痛みや苦痛を伴うことはない。同病院の平井達夫理事長は「外科手術が必要な患者に対しても、手術をより効果的なものとする補助手段として有用だ」と話す。

装置の進化もめざましく、最新型は全自動による照射位置の設定と連続照射が可能となり、治療の正確さとスピードが向上した。平井理事長は「開頭手術に恐怖心や拒否感を示す患者が多い中、手軽に治療できるガンマナイフの役割は大きい」と指摘。脳ドックなどで早期に腫瘍が発見された場合、大きな効果が見込めるという。

2015.02.18　日本経済新聞より