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がん社会を診る 告知は治療の第一歩

2015.03.03

がんの告知が一種のタブーだった時代がありました。私が医者になった約30年前、たとえば肺がんは、肺にカビが生える「肺真菌症」と嘘の説明をしていました。当時は「がん=死」というイメージが今よりもずっと強くありました。家族には告知をしても、患者本人にがんという病名を伏せたままにしておくことが一般的だったのです。

しかし最近は、家族だけでなく本人に病名を告げるのが普通になっています。背景には治療法が進歩し、がん全体で約6割、早期ならば多くのがんで9割以上治るようになったことがあると思います。自己決定権や知る権利、個人情報などを尊重する意識が高まり、治療の開始に本人の同意が求められるようになってきたことも大きいでしょう。

実際、「がんになったときは知らせてほしい」という人が増えています。2009年の民間の調査でも、自分ががんになったら「知らせてほしい」という人が約8割に達し、「知らせてほしくない」はわずかにとどまりました。

一方で、家族ががんになったら「知らせる」「どちらとも言えない」という回答が、それぞれ約4割に上っています。自分自身が患者の場合は告知を希望しても、家族の立場になると、本人への告知をためらってしまう人が少なくないのです。

しかし、よい治療を受けるには、正しい情報を医療者側と共有しておく必要があります。しっかりと説明を受け、自分でも情報を集めて、病状を理解しておくべきでしょう。そのうえで、医師と相談しながら、自分自身の体調や価値観に従い、治療方法を選択していただきたいと思います。

そのために告知は不可欠です。単に「肺がんです」といった病名告知を受けるだけではなく、がんのタイプや進行度、治療方針なども確認しておくべきでしょう。ただ、若い医師の中には初対面に近い患者に「末期の膵臓(すいぞう)がんで、余命は3カ月」などと乱暴な告知をする者もいます。これでは、告知が「酷知」になってしまいます。

告知を受けない権利も患者側にはありますので、自分の気持ちを事前に伝えておくとよいでしょう。しかし、正しく知って、自分で治療を選ぶのが基本的な姿勢だということに変わりはありません。

2015.03.01 日本経済新聞より

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