2015.09.17
国立がん研究センターは14日、2007年にがん診療連携拠点病院でがんと診断され治療を始めた患者の5年後の生存率を公表した。乳がんと大腸がん、胃がんは比較的高く、肝臓がんと肺がんは厳しい状況が明らかになった。ほかの臓器も含め、すべてのがんを合わせると64.3%だった。
主要ながんの5年生存率は乳房で92.2%、大腸は72.1%、胃は71.2%。肝臓は35.9%、肺は39.4%だった。
集計対象となった病院が2施設以上ある都道府県別の生存率も公表。例えば、全がんでは最も高い東京(74.4%)と最も低い沖縄(55.2%)で20ポイント近く差があるが、限られた病院のデータに基づくため、一概には比較できないという。一定割合以上の患者の情報が集まり、集計できたのは、データ提供を求めた293病院のうち6割の177病院、約17万件。
年齢構成や発見時の進行度なども公表した。生存率が低く、早期で発見できた人が少なければ、検診の受診率の向上に力を入れるなど、各都道府県の対策を点検する契機にしてほしいという。
今回求めたのは、がんと診断された場合に、治療でどれくらい命を救えるかを示す「5年相対生存率」。5年無事に経過するとほぼ治ったといえることから、がん医療を評価する際の指標として世界的に使われている。
2015.9.14 日本経済新聞より
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