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小児がんなどに全額保険適用を 粒子線治療で学会見解

2015.12.11

陽子線や重粒子線を使う粒子線治療の有効性が明らかになったとして、日本放射線腫瘍学会は6日までに、小児がんや骨のがん、頭頸部(けいぶ)のがん、大きさが5センチ以上の大きな肝がん、手術が難しい肺がんについて、一部で保険適用が認められる先進医療から、全額を保険適用にすべきだとの見解を厚生労働省の専門家会議に示した。

がんの粒子線治療は先進医療に指定されているが、がんの種類によっては有効性が不明確だった。照射には数百万円の費用がかかるため、保険適用には慎重な判断が必要で、同会議は来年1月に結論を出す。

先進医療は国の承認を受けた医薬品や医療機器を用いる「先進医療A」と、未承認のものを用いたり特に慎重な実施が求められたりする「B」とに分けられる。粒子線治療は現在、がんの種類によらずAで実施されている。

学会は、がんの種類ごとに手術やエックス線治療などの既存治療と比べ、粒子線治療が有効かを検討。小児がんなどでは有効性が高く、全額を保険適用にするのが適当だと判断した。

一方で、手術可能な肝がんの陽子線治療や、進行した前立腺がんの重粒子線治療などは、より厳密なデータを集める必要があり、来年3月までにBとして再申請する。

その他のがんについても今月中に全施設で統一した治療方針を作り、その後Aとして改めて申請する意向。全ての治療例を登録するデータベースも来年4月から運用すると明らかにした。

2015.12.7 日本経済新聞より

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