2018.09.21
島津製作所は患者の血液から早期にがんを見つける診断サービスを10月から始める。病院での自由診療で検査費用は約2万円。大腸がんを9割以上の確率で発見できるという。がんの早期発見につながる新技術の開発が近年相次いでおり、関連サービスの提供が広がりそうだ。
新サービスは血液に含まれるアミノ酸や脂肪酸など8種類の物質を測定する。神戸大学や国立がん研究センターと共同開発した技術で、島津の分析計を活用する。採取する血液はわずかで済む。
それぞれの物質が一定の量を超えた場合、がんの可能性が高いと判断し精密検査を受けるように促す。これまでの研究で早期段階を含む大腸がん患者の9割以上で正確に判定できたとしている。
まず京都市内の病院を通じてサービスを始め、数年で全国に広げる。検査対象は乳がんや膵臓(すいぞう)がんにも広げる方針だ。国に健康保険の対象として認めてもらうよう準備を進める。
現在の大腸がん検査は便の中に血液が混じっているかを調べる方法が一般的だ。安くて負担が少ない半面、痔(じ)などでも陽性と判定されるなど精度に課題がある。
国立がん研究センターによると、2014年にがんと新たに診断された患者は約86万人。部位別では男女全体で大腸がんが胃がんを抜き、初めて最多となった。
2018.9.19 日本経済新聞より
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