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がん検診は何歳から受けるべき

2019.10.25

厚生労働省の「平成29年(2017)人口動態統計」によると、日本人の死因の1位はがん(悪性新生物)で、1981年から実に37年連続でトップとなっている。

国立がん研究センターがん情報サービスのデータを基に、がんの部位別死亡率の年次推移を表したのが下の折れ線グラフ(男女別。年齢構成の経年変化の影響を除いた年齢調整死亡率を使用)。これを見ると、男女とも胃がんの死亡率は低下が続いている。

消化器専門医として、年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手掛ける医学博士の近藤慎太郎氏は、「胃がんの最も大きなリスク因子であるヘリコバクター・ピロリ菌の感染率が低下し、胃がんになる人自体が減っているのが一因」と言う。ピロリ菌は汚染された食物や水から主に感染するが、上下水道が整備されるなど環境の改善に伴い、日本人の感染率は低下している。

一方で目立つのが、肺がんと大腸がんによる死亡の多さ。男女合わせて肺がんは1位、大腸がんは2位だ。肺がんの最大のリスク因子は喫煙。大腸がんは運動不足や野菜・果物の摂取不足、肥満、飲酒などが挙げられる。

また、男性では肝臓がんや膵臓(すいぞう)がん、女性では乳がんや膵臓がんの死亡率が高めだ。推移を見ると、肝臓がんは低下しているが、膵臓がんや乳がんはじわじわと上昇している。

■対策型と任意型の検診

がん死の増加を抑えるため、早期発見・治療を目的として行われているのが、がん検診だ。07年に策定された「がん対策推進基本計画」では、がん検診の受診率を50%以上にするという目標を設定。以降、がん検診の啓発活動などが行われてきた。

ただ、受診率は高まってきているものの、いまだに50%未満。「科学的根拠に基づいた適切な検診を定期的に受けていれば、本来治るべきがんで命を落とすことは少ない」と近藤氏が言うように、がん検診の持つ意味は小さくない。

ひとくちにがん検診と言っても、対策型と任意型の2つに分かれる。対策型がん検診は、がん死亡率の低下を目的に市区町村などが実施。科学的検証を通じて、死亡率の低減効果が確かめられた検査法で行われる。公的な補助があるため自己負担額は少ない。一方、任意型がん検診は、人間ドックなど医療機関が提供するサービス。様々な検査方法があり、基本は全額自己負担だ。

では、どんなタイミングで、どんな検査を受ければいいのか。ここで男女別、部位別に考えてみたい。

がんのリスクには個人差がある。国立がん研究センターなどによれば、喫煙は肺がんの他、口腔がんや食道がんなど計15種類のがんのリスク因子だという。そこで男女とも喫煙・非喫煙の群に分け、いつごろ、どのがんの検査を初めて受ければいいかの目安についてまとめてみた。

胃がんの最大のリスク因子はピロリ菌。「ピロリ菌がいると必ず発がんするわけではないが、胃がん罹患者の9割以上はピロリ菌の感染歴がある」(近藤氏)。そのため、20代のうちに一度ピロリ菌の有無を調べるのがいい。見つかれば早めに対処できる。また、50歳になると対策型の胃がん検診を受けられるが、その際は内視鏡検査(胃カメラ)を選びたい。バリウム検査に比べて病変の見逃しが少ないうえ、カメラを胃に通すときに、併せて食道がんのチェックもできるからだ。

肝臓がんの主な原因は、B型・C型肝炎ウイルス。肝細胞に炎症を起こし、肝炎から肝硬変、肝臓がんにつながる。肝炎ウイルス検査もやはり20代で一度受けるといいだろう。アルコールも肝臓がんの一因。飲酒量が多い人は、40代で腹部の超音波(エコー)検査を受けておくのが賢明だ。エコーは放射線被曝が無いので気軽に受けやすい。

子宮頸がんは、性交渉などによるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が強く影響する。20代の女性でもかかりやすい。20歳以上であれば、対策型がん検診の細胞診(子宮頸部から細胞を摂取)が受けられる。

■肺がん検査はCTも検討

肺がんは、喫煙者なら特に要注意。肺がんのリスクは、「1日に吸うたばこの本数×年数」で表すブリンクマン指数が一つの目安になる。1日20本を20年間吸っていれば、20×20=400。一般的にこの指数が400を超えると注意が必要とされている。

長年のヘビースモーカーなら、30代で任意にチェックするのも一つの選択肢。検査は胸部レントゲンが一般的だが、胸部CT検査の方が早期の小さながんを見つけやすい。ただ、悪性度が低いものを見つけて余計な精密検査を受けるなどの「過剰診断」になりかねない点には注意。被曝量も大きめなので、そのあたりを十分に考慮したうえでCT検査を検討したい。

40歳以上であれば、対策型がん検診に胸部レントゲンがある。非喫煙者も受けておくといいだろう。受動喫煙や家族の病歴などで心配があるなら、やはり胸部CTも候補だ。

大腸がんについては、進行が遅いため検査を急ぐ必要はそれほど無いが、40歳以上が対象の対策型がん検診は受けるべきだ。ただ、対策型の内容は問診や便潜血検査で、内視鏡検査(大腸カメラ)は受けられない。「便潜血検査と比べて、大腸カメラは診断能力が高く、小さなポリープも発見でき、即切除できる」(近藤氏)。40代で一度は大腸カメラを任意で受けておくのが無難。そこで問題が無ければ、次に受けるのは5~10年後が目安となる。

女性の乳がんの発症は40代後半にピークを迎え、60代後半から減少。40歳以上は対策型がん検診を受けられる。マンモグラフィー(乳房エックス線検査)を受けることで、乳がんの死亡率が低下するとの検証結果がある。喫煙者の場合は、30代と早めに任意で受けるのも一つだ。

また喫煙者は男女共に、口腔がんや咽頭がんといった頭頸部がんの検査(CTなど)を40代で受けることも要検討。喫煙は頭頸部がんの発症と深い関係があると考えられているからだ。

では、がん検診はいつまで受ければいいのか。一般的に、がんの進行は高齢になるほど遅い。高齢者が仮に検査でがんを発見して治療を受けても、そうしなかった場合と比べて余命に大きな差は生じにくい。むしろ、治療を受けたことで薬の副作用に苦しんだり、手術の影響で体の自由が利きにくくなったりなど、QOL(生活の質)が低下することも考えられる。

60代以降は喫煙や飲酒などのリスク因子を考慮しつつ、気になる人は適宜受けるのがいいだろう。

日経トレンディ2019年7月号記事より

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